グループ紹介

炎症性腸疾患グループ
ibd

炎症性腸疾患グループは2008年4月に新設され、創設12年を迎えました。患者数の増加、疾患の知名度の上昇と共に人気が高まっているのか、実習が楽という噂が流れているのか、学生の実習希望人気ナンバーワンとなっています。

グループメンバー

グループ長

メンバー

  • 医員・大学院生(4) 小田切 信介
    医員・大学院生(4)
    小田切 信介
  • 医員・大学院生(2) 桜井 健介
    医員・大学院生(2)
    桜井 健介

グループ紹介

 グループ員の近況ですが、山梨香菜先生が「クローン病における体外式腹部超音波検査有用性の検討」のテーマで学位論文をまとめあげ、大学院を無事に卒業されました。現在北辰病院でIBDの専門知識を役立てながら、あらゆる消化器疾患に対応しております。

 大学院2年目となった桜井健介先生は、東徳洲会病院で研修させて頂き、IBDの専門領域として必要なスキルをしっかりと身につけてきました。特に小腸内視鏡検査やバルーン拡張、逆行性小腸造影についてはノウハウを還元してくれ、グループの検査能力が大きく向上しています。また、釧路労災病院へ月に一度応援診療に行かせてもらっており、多数の症例をご紹介頂き修行を積ませてもらっております。研究面では、「炎症性腸疾患における低亜鉛血症に関する検討」をテーマとして東徳洲会病院と共同研究を行い、2020年2月にはウィーンの国際学会で発表も行ってきました。

 小田切信介先生は大学院4年目となりました。診療、教育、研究全ての面において支柱となる活躍をしており、症例報告を含む論文も複数執筆しています。また北見赤十字病院の応援診療は月に一度継続して行かせて頂いており多数の症例をご紹介頂いております。さらに研究面では大西俊介先生のもと羊膜由来間葉系幹細胞の基礎研究にも取り組んでおり、危なげなく学位取得の見込みです。

 大西礼造先生は、東苗穂病院で臨床医として活躍しながら、客員臨床講師として引き続きの連携、大学院生への指導を頂いており、IBDに関わる研究会などにも積極的に参加頂いています。

 長島一哲先生は北海道医療センターでIBDセンター設立に尽力しつつ、客員研究員として継続して研究に貢献され、現在免疫チェックポイント阻害薬関連大腸炎に関して論文も作成中であります。

 グループリーダーの桂田は「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班(久松班)に研究協力者として参加し、医局を超えた北海道全体の、将来的には全国のIBD診療のまとめ役を目指して日々活動を継続中です。

 炎症性腸疾患というと主に潰瘍性大腸炎とクローン病を指しますが、両疾患ともに患者数は急激な増加傾向を示しています。我々はこの2疾患を中心に診療を行っておりますが、近年ではMEFV関連腸炎、非特異性多発性小腸潰瘍症、XIAP欠損症、Trisomy 8など、様々な腸疾患が新たに注目されるようになり、鑑別診断も多様化しております。治療についても血球成分除去療法(GMA)、抗TNF-α抗体 (インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)、免疫調節薬(アザチオプリン、タクロリムス)といった専門的治療に加えて、さらに新しい5-ASA製剤(リアルダ)、ステロイド剤(ブデソニド徐放カプセル、ブデソニド注腸フォーム剤)、抗IL-12/23p40抗体(ウステキヌマブ)、JAK阻害薬(トファシチニブ)、α4β7インテグリン阻害薬(ベドリズマブ)と、次々と新たな治療の選択肢が増え治療体系も複雑化してきています。若い患者さんが多いのがこれらの疾患の特徴であるため、我々の治療次第で患者さんの人生が変わりうることを意識し、患者さんの病態のみならず社会的背景にも配慮した治療を常に心掛けています。また、多彩な全身合併症も特徴の疾患にて、総合病院として他科との連携を密に取り、専門機関として集学的治療を行えるのが当院のメリットと思います。

 今後は関連病院ともさらに連携を深め、北海道全体の炎症性腸疾患診療の普及に努めて参ります。加えて研究機関として臨床の現場で抱いた疑問や展望を基礎医学的な手技を用いて解明し、教育機関として若手医師、学生の育成にも力を注ぎ、グループとしてますます発展していきたいと考えております。また、北海道全体のIBDコホート研究グループ(Phoenix Cohort Group:札幌医大、北大、旭川医大、札幌厚生病院、東徳洲会病院、札幌徳洲会病院)にも参加し、ALL北海道としてのエビデンス構築、情報発信にも寄与して参ります。

臨床研究・治験

  • 卵膜由来間葉系幹細胞を用いた炎症性腸疾患に対する新規治療法の開発(組織再生幹細胞研究グループとの共同研究)
  • 微生物叢がもたらす免疫チェックポイント阻害薬関連大腸炎・肝炎発症機構の解明
  • 潰瘍性大腸炎の臨床的重症度、病変範囲と腸内細菌叢の菌種組成、糞便中短鎖脂肪酸濃度、糞便pHとの関連(公衆衛生学教室との共同研究)
  • クローン病における体外式腹部超音波検査有用性の検討
  • 炎症性腸疾患における低亜鉛血症に関する検討

文責:桂田 武彦(2020年7月)