グループ紹介

肝臓グループ
Hepatology

坂本直哉教授が2012年に就任され、肝臓グループでは様々なミッションをベッドサイドとベンチトップが一体となって仕事が行えるように意思統一を図りながら、日々診療、研究を行っています。スタッフとして、須田、荘先生、中井先生、大原先生、北潟谷先生が中心となり、グループ運営を行っております。大学院生として、戸田 喜子先生を本年度より迎えております

グループメンバー

グループ長

診療グループ

  • 医員 目野 晃光
    医員
    目野 晃光
  • 医員・大学院生(4) 田中 崇倫
    医員・大学院生(4)
    田中 崇倫
  • 医員・大学院生(3) 横山 大輔
    医員・大学院生(3)
    横山 大輔

基礎研究グループ

  • 医員・大学院生(2) 戸田 喜子
    医員・大学院生(2)
    戸田 喜子
  • 鄧 瑞欣

    鄧 瑞欣

診療および臨床研究

  • 肝癌
  • ウイルス性肝炎
  • MASLD
  • 肝硬変、肝不全

肝癌

 肝癌治療を包括的にマネージメントすることが肝臓内科医の大切な仕事です。週1回開催される肝癌キャンサーボードにて、外科や放射線科の先生と連携し治療方針を決定しています。その中でラジオ波焼灼術を中心とした局所治療は一番大事な手技となります。V-Naviや造影超音波、最近ではより広い範囲の焼灼が可能なマイクロ波焼灼療法も用いています。高度進行肝細胞癌に対しては、近年レンバチニブなどのTKIに加えて、アテゾリズマブ/ベバシズマブやデュルバルマブ/トレメリムマブといった免疫療法が保険承認されました。進行肝癌に対する薬物治療については、NORTE Study Groupで治療成績をまとめるだけでなく、目野先生はcell free DNAのメチレーションを見る事によりアテゾリズマブ/ベバシズマブの治療効果予測マーカーとなる事をアジア太平洋肝臓病学会の学会誌であるHepatology Internationalに報告するなど、薬物療法の治療効果に関するトランスレーショナルリサーチや基礎的研究も行っています。

ウイルス性肝炎

 C型肝炎治療は直接型抗ウイルス薬(DAA)により目覚ましい進歩を遂げました。非代償期肝硬変に対するSOF/VELが保険適用となり、これでC型肝炎治療は一段落しました。B型肝炎治療も、ETVに加えて、TDFやTAFが保険適用となりました。これらのウイルス性肝炎の治療成績は、NORTE Study Groupでの臨床研究として多数報告してきました。今後はウイルス制御後の肝線維化や発癌といった肝病態に注目しています。また、北海道大学病院では2015年に肝炎ウイルス陽性者に対する電子カルテアラートシステムを構築しました。現在は肝疾患診療拠点病院として、北海道や札幌市といった自治体、さらには北海道内の肝疾患専門医療機関と連携し、肝炎受検者数の維持、陽性者の専門医療機関受診向上、肝疾患医療コーディネーター養成といった活動を行っています。これにより、北海道全体の肝疾患診療レベルの向上、均霑化に努めています。

MASLD

 ポストウイルス時代となり、肝癌の原因は脂肪性肝疾患に急速に移行しています。肝臓グループでもMetabolic dysfunction-Associated Steatotic Liver Disease(MASLD)を最重要研究テーマに位置づけ、肝生検による組織学的診断を積極的に行い、超音波やMRエラストといった非侵襲的診断方法の検討、遺伝子研究を行っています。さらに、AMED坂本班「肝線維化の非侵襲的評価のための血清・肝組織糖鎖バイオマーカーの探索と実用化に関する研究」にて糖鎖バイオマーカー研究を行い、その成果はJournal of Gastroenterology に発表され、プレスリリースも行われました。

肝硬変、肝不全

 肝硬変に対する薬物療法も劇的に進歩し、肝硬変に対する新規利尿薬や脳症治療薬に関して臨床上非常に重要な報告をしてきました。また、肝硬変における肺高血圧といった病態や、B-RTOやPSEといったIVR治療、内視鏡治療を行っています。さらに、肝移植グループと密に連携し、急性、慢性肝不全患者の移植医療への移行を円滑にできるよう診療しています。

業績

 近年論文数や受賞、また研究資金の獲得が飛躍的に増えてきました。以前はHCVが研究の中心でしたが、数年前よりポストウイルスの時代を見据え、肝硬変やMASLD、肝癌など研究の多角化に努めてきました。2今後も研究成果を確実に業績に出来るように、グループ全体で頑張ってまいります。
 北潟谷先生は、臨床・基礎研究と充実した成果をあげ、本邦ではまだなじみの薄いCirrhotic Cardiomyopathyについての論文で日本肝臓学会の研究奨励賞を受賞するとともに、肝癌の基礎研究も着実に成果をあげています。大原先生は、肝疾患相談センターのセンター長の責務とともに研究の中心的役割を担って頂き、多くの論文をHEPI, JG, JCSM などにfirst author として報告しております。中井先生は、肝硬変のガイドライン委員として新規のガイドラインの策定に尽力するとともに、臨床の中心的役割を担って頂いております。荘先生は、臨床の中心として活躍するとともに、昨年度もNORTE Study Groupにおける肝癌研究など成果が評価され、肝癌分子標的研究会で受賞するなど活躍しております。須田は、3つのAMED研究班「B型肝炎関連疾患のゲノム解析による多様性解明と個別化医療の実現を目指した研究」「肝細胞・肝非実質細胞・T細胞指向性 lipid nanoparticleを使用した新規肝線維症治療法開発と治療薬開発プラットフォームの確立」「HBs抗原消失を目指した新規抗HBV薬開発」の研究代表者として、多くの先生方の御援助を頂きながら務めさせて頂いております。

さいごに

 日頃、肝臓グループの診療や研究にご協力いただいている関連病院の諸先生に深謝いたします。皆様のご協力もあり、NORTE Study Groupは全国有数の肝疾患臨床研究グループとして認知されるようになりました。
 肝臓グループでは日常における肝疾患診療の研鑽だけでなく、高度先進医療や治験、検査法や治療機器の開発に携われます。また、研究を通じて、病態について深い知見を学び、臨床医としてさらなる高みを目指すことができます。今後も若い先生が活躍できる環境を作っていきますので、是非当グループで一緒に仕事をし、肝臓のスペシャリスト+総合消化器内科医として共に成長できれば嬉しいです。

文責:須田 剛生(2026年7月)