組織再生幹細胞研究グループ

当グループは平成24年度に発足し,8年目を迎えました.最も力を入れてやっていることは,羊膜由来の間葉系幹細胞を用いた消化器疾患の再生医療です.

メンバー

大西俊介,山本幸司,大野正芳,付慶傑,小田切信介,楊子建,木脇佐代子

研究内容

  1. 羊膜由来間葉系幹細胞を用いた再生医療
  2. がんの蛍光イメージング
  3. 六君子湯によるがん患者のQOL向上のための臨床研究
  4. がん幹細胞マーカーCD133の発現調節機構の解明

紹介

当グループは平成24年度に発足し,8年目を迎えました.

最も力を入れてやっていることは,羊膜由来の間葉系幹細胞を用いた消化器疾患の再生医療です.これまでに炎症性腸疾患(Cell Transplant 2015, Am J Transl Res 2017),肝硬変(Transplant Direct 2015, Front Pharmacol 2018, Stem Cell Int 2018),胆管炎(Am J Transl Res 2018),放射線腸炎(Cytotherapy 2015),膵炎(Pancreas 2016, J Gastroenterol 2018),食道ESD後狭窄(Gastrointest Endosc 2017),直腸ESD後狭窄(Endoscopy 2018)の各動物モデルに対する効果を報告してきました.最近は形成外科など他の教室との共同研究を開始し,2017年には他科の学位取得者も誕生しました(Plast Reconstr Surg 2018).また,羊膜間葉系幹細胞を再生医療等製品として臨床の現場に届けることをめざしており,2016年度よりAMEDに研究開発代表者として採択され,2017年秋よりクローン病とGVHDに対するfirst-in-human医師主導治験を開始しました(BMJ Open Gastroenterol 2018).

その他,2014年から東大の蛍光イメージングの大家である浦野教授と共同研究を開始し,膵がんのEUS-FNA検体を用いて,東大が開発した蛍光プローブをふりかけて蛍光で検出することの有用性を明らかにしました(Mol Imaging Biol 2016).また,頭頸部がんのESD摘出標本を用いた研究も行い,その有用性が明らかになりました(BMC Cancer 2016, Head Neck 2018).さらに,食道胃接合部腺癌に対する有用性を多施設共同研究で明らかにしました(UEGW2018, DDW2019で発表).

一方,六君子湯がCDDPによる食欲不振を抑えるのかを検討する第II相探索試験を,AMEDの研究費により北大産婦人科とその関連病院の協力を得て実施し,positiveな結果が出たので報告しました(J Gynecol Oncol 2017).この結果を踏まえ,引き続きAMEDのサポートを受けて,プラセボを用いた第III相検証試験の準備を北大産婦人科とともに準備をすすめており,2019年度全国多施設で開始する予定です.

がん幹細胞マーカーCD133の発現調節機構については,多くの薬学部の学生さんに助けていただき,2013年PLoS Oneに発表しましたが,その後も薬学部の学生さんが引き継いで行い,メトホルミンによる発現調節機構を明らかにしました(Neoplasia 2019).

以上,当グループの研究内容は多岐にわたりますが,臨床に直結した,臨床講座ならではの,臨床に還元できる研究をめざしております.

文責:大西 俊介(2019.5)