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安孫子先生の論文が、Internal Medicineにアクセプトとなりました

論文タイトル Early postoperative dynamics of prophylactic clip retention after gastric endoscopic submucosal dissection
受理日 2026年10月8日
Authors Satoshi Abiko, Soichiro Oda, Akimitsu Meno, Akane Kato, Shunichiro Nozawa, Sonoe Yoshida, Kensuke Sakurai, Ayumu Yoshikawa, Rui Sasaki, Kazuaki Harada, Naoki Kawagishi, Itsuki Sano, Yoshimitsu Kobayashi, Hisashi Oda, Takuto Miyagishima and Naoya Sakamoto.
雑誌名 Internal Medicine
コメント 胃ESD後の予防的クリップの残存動態に関する研究が、このたびInternal Medicine誌にアクセプトされました。

本研究では、胃ESD後の遅発性出血予防を目的として留置したクリップが、術後早期にどの程度残存しているのか、またその残存に関連する因子について検討しました。釧路労災病院において、modified search, coagulation, and clipping(MSCC)法を施行し、セカンドルック内視鏡検査を受けた88例を対象とした後ろ向き研究です。

その結果、術後日数が経過するほどクリップ残存率が低い傾向が認められ、術後日数はクリップ残存率50%以上に独立して関連する因子でした。また、胃前庭部および胃角部では、他の部位と比較してクリップが脱落しやすい可能性が示唆されました。一方、観察期間を限定した感度解析では有意差が認められず、観察時期のばらつきが結果に影響した可能性も考えられました。

胃ESD後の遅発性出血は術後早期に多く発生しますが、抗血栓薬服用例などの高リスク症例では、術後比較的遅い時期にも出血が発生します。今回認められた術後早期の比較的高いクリップ残存率と、その後の残存率低下の傾向は、これまで我々が報告してきたMSCC法の低リスク症例における有用性と、高リスク症例における限界を説明する一つの要因となる可能性があります。ただし、今回の研究はクリップの経時的な脱落や出血予防効果との関連を直接証明したものではなく、今後さらなる検討が必要です。

今回の研究は、釧路労災病院で日常的に行ってきた胃ESD後の予防的クリッピングについて、その術後早期の残存状況に着目したものです。先にActa Gastro-Enterologica Belgica誌に掲載された胃ESD後の遅発性出血予防に関する研究とあわせて、これまで取り組んできたMSCC法の有用性と限界について、新たな知見を得ることができました。

本研究にご協力いただきました釧路労災病院の先生方、内視鏡室・外来・病棟スタッフの皆様、坂本先生に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。
(北海道大学病院 安孫子怜史)