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昭和大学江東豊洲病院の安孫子先生の論文が、ACG Case Reports Journalにアクセプトとなりました

論文タイトル Successful indirect clipping for the bleeding source of colonic diverticular hemorrhage using a reopenable clip (regrasping technique)
受理日 2024年8月10日
Authors Satoshi Abiko, Takatsugu Tanaka, Shintaro Sawaguchi, Takahiro Yamamura, Yoshimasa Tokuchi, Kosuke Nagai, Kenji Kinoshita, Kazuteru Hatanaka, Yoshiya Yamamoto and Hirohito Naruse.
雑誌名 ACG Case Reports Journal
コメント 掴み直し可能なクリップ(シュアクリップ)を使用した結腸憩室出血に対する間接的クリッピングの成功例の報告がACG Case Reports Journalにacceptされました(https://doi.org/10.14309/crj.0000000000001504)。
下部消化管内視鏡検査で出血している憩室を特定しましたが、激しい活動性出血のため、憩室内の出血している血管までは特定できませんでした。そこで、掴み直し可能なクリップを使用して、出血している憩室に対して間接的クリッピングを試みました。掴み直し可能なクリップで出血している憩室を4回把持しましたが、出血を止めることはできませんでした。5回目の試みで、止血に成功しました(このテクニックをregrasping techniqueと名付けました)。
結腸憩室出血の止血においてクリップのミスショットが発生すると、先に打ったクリップが邪魔になり、止血が難しくなります。止血出来ないときは、経カテーテル塞栓術や手術などの介入が必要になります。
regrasping techniqueの利点は、クリップのミスショットを減らせることです。この技術を使用することで、クリップのミスショットによる止血困難を防ぎ、血管造影や手術に移行する回数を減らせる可能性があるのではないか、と思っております。
成瀬先生をはじめとして、市立函館病院の先生方、内視鏡、外来、病棟スタッフの皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
(昭和大学江東豊洲病院、国内留学中 安孫子怜史)