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市立函館病院の安孫子先生の論文が、Endoscopyにアクセプトとなりました

論文タイトル Successful direct clipping for the bleeding source of colonic diverticular hemorrhage using the "long hood-gel-filling" method
受理日 2023年1月31日
Authors Satoshi Abiko, Koji Hirata, Kazuharu Suzuki, Kenji Kinoshita, Kazuteru Hatanaka, Yoshiya Yamamoto and Hirohito Naruse
雑誌名 Endoscopy
コメント 拍動性出血のある上行結腸憩室出血に対して、ロングフードとビスコクリア("long hood-gel-filling" method:ロングフードゲル充填法)を用いて、憩室内の露出血管を直達的にクリップで止血した症例です (https://doi.org/10.1055/a-2048-6071)。大腸の憩室出血において、出血源の憩室を同定することはしばしば困難ですが、憩室内の出血している血管を同定することはさらに困難です。ロングフードゲル充填法の利点としては、①少量のゲルでロングフード内を満たすだけで、クリアな視界が得られること、②この方法を使用することで、圧迫止血が可能になること、③ロングフード内でクリップが展開できるため、内視鏡を固定しておくことが可能となり、クリップ止血の手技中に、内視鏡の視野を維持することが可能となること、があります。
老齢人口の増加などを背景に近年は憩室出血に対する対応の重要性が高まってきていると思います。ロングフードゲル充填法は憩室出血に対して有用な方法ではないか、と思っております。
成瀬先生をはじめとして、市立函館病院の先生方、内視鏡、外来、病棟スタッフの皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
(市立函館病院 安孫子怜史)