Accept論文

2024年

Association of Proteinuria with Improved Prognosis in Unresectable Hepatocellular Carcinoma Treated with Atezolizumab and Bevacizumab and Predictive Role of Serum VEGF-D Levels: A Multicenter Retrospective Study

受理日
Authors

Zijian Yanga, b, Goki Sudab*, Takuya Shob, Osamu Maeharac, Masatsugu Oharab, Tomoka Yodab, Qingjie Fub, Takashi Sasakib, Risako Kohyab, Sonoe Yoshidab, Shunichi Hosodab, Takashi Kitagatayab, Naoki Kawagishib, Masato Nakaib, Mitsuteru Natsuizakab, Koji Ogawab, Shunsuke Ohnishic, Yoshiya Yamamotod, Masaru Babae, Ren Yamadaf, Tomoe Kobayashig, Minhu Chena, Naoya Sakamotob for the NORTE Study Group.

雑誌名

Hepatology Research

コメント

留学生だった、楊先生が帰国前から進めていた研究がアクセプトとなりました。
この研究は、肝がんに対するアテゾリズマブ・ベバシツマブ治療の際の蛋白尿が予後良好と関連する因子である事、治療前のVEGF-Dがその蛋白尿出現を予測できる可能性を明らかにした論文となります。
ご指導頂きました坂本直哉教授、帰国後、研修医として超多忙に働きながらも解析・論文作成を進めて頂いた楊先生、貴重なデータ・検体を頂戴いたしましたNORTE Study Groupの先生方、北大肝臓グループの先生方に心より感謝申し上げます。
(須田)

Positivity of high-sensitivity HBsAg test, not previous HBV infection, indicates poor prognosis in patients with non-HBV-related HCC

受理日
Authors

Naohiro Yasuura, Goki Suda, Masatsugu Ohara, Akimitsu Meno, Takuya Sho, Risako Kohya, Takashi Sasaki, Tomoka Yoda, Sonoe Yoshida, Qingjie Fu, Zijian Yang, Shunichi Hosoda, Osamu Maehara, Shunsuke Ohnishi, Tomoya Saitou, Masaya Sugiyama, Takasuke Fukuhara, Masaru Baba, Takashi Kitagataya, Naoki Kawagishi, Masato Nakai, Mitsuteru Natsuizaka, Koji Ogawa, Akinobu Taketomi and Naoya Sakamoto.

雑誌名

Alimentary Pharmacology & Therapeutics

コメント

本論文では非HBV肝癌において高感度HBs抗原陽性が予後に与える影響を検討した内容となっております。HBV既往感染が肝癌に与える影響は不明な点が多い中、近年高感度HBs抗原が測定できるようになりました。HBV既往感染でも宿主DNAへのHBV-DNAの組み込みがみられることがあるという報告もあることからHBV既往肝癌の中に高感度HBs抗原陽性症例が存在し、予後に影響を与えるのではないかと考えられ検討を行って参りました。HBV既往肝癌において11.8%が高感度HBs抗原陽性となり、陽性症例は陰性の症例と比べ有意に予後が不良であることが示されました。
研究や論文作成にあたり多大なるご指導・ご助言を賜りました坂本教授、須田先生、大原先生をはじめ肝臓グループの先生方に心より感謝申し上げます。
(保浦直弘)

Efficacy and Safety of Durvalumab/Tremelimumab in Unresectable Hepatocellular Carcinoma as Immune Checkpoint Inhibitor Re-challenge Following Atezolizumab/Bevacizumab Treatment

受理日
Authors

Takuya Sho, Goki Suda, Masatsugu Ohara, Risako Kohya, Takashi Sasaki, Sonoe Yoshida, Shunichi Hosoda, Koji Ogawa, Takashi Kitagataya, Osamu Maehara, Shunsuke Ohnishi, Naoki Kawagishi, Mitsuteru Natsuizaka, Masato Nakai, Masaru Baba, Yoshiya Yamamoto, Yoko Tsukuda, Takashi Meguro, Ren Yamada, Tomoe Kobayashi, Tomofumi Takagi and Naoya Sakamoto for the NORTE STUDY GROUP

雑誌名

Targeted Oncology

コメント

切除不能進行肝細胞癌に使用されているICI (Immune Checkpoint Inhibitor)はアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法とデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法があります。しかし、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の治療終了後の次治療として使用されたデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法の治療効果と安全性は未だに明らかではありませんでした。そこで、NORTE Study Groupの皆さまにご協力を頂き、ICIリチャレンジ療法の治療効果と安全性を評価した論文を作成しました。

論文を作成するにあたりご指導いただいた須田講師、坂本教授をはじめ、本研究に参加いただいたNORTE Study Groupの先生方に感謝申し上げます。
(荘 拓也)

Successful indirect clipping for the bleeding source of colonic diverticular hemorrhage using a reopenable clip (regrasping technique)

受理日
Authors

Satoshi Abiko, Takatsugu Tanaka, Shintaro Sawaguchi, Takahiro Yamamura, Yoshimasa Tokuchi, Kosuke Nagai, Kenji Kinoshita, Kazuteru Hatanaka, Yoshiya Yamamoto and Hirohito Naruse.

雑誌名

ACG Case Reports Journal

コメント

掴み直し可能なクリップ(シュアクリップ)を使用した結腸憩室出血に対する間接的クリッピングの成功例の報告がACG Case Reports Journalにacceptされました(https://doi.org/10.14309/crj.0000000000001504)。
下部消化管内視鏡検査で出血している憩室を特定しましたが、激しい活動性出血のため、憩室内の出血している血管までは特定できませんでした。そこで、掴み直し可能なクリップを使用して、出血している憩室に対して間接的クリッピングを試みました。掴み直し可能なクリップで出血している憩室を4回把持しましたが、出血を止めることはできませんでした。5回目の試みで、止血に成功しました(このテクニックをregrasping techniqueと名付けました)。
結腸憩室出血の止血においてクリップのミスショットが発生すると、先に打ったクリップが邪魔になり、止血が難しくなります。止血出来ないときは、経カテーテル塞栓術や手術などの介入が必要になります。
regrasping techniqueの利点は、クリップのミスショットを減らせることです。この技術を使用することで、クリップのミスショットによる止血困難を防ぎ、血管造影や手術に移行する回数を減らせる可能性があるのではないか、と思っております。
成瀬先生をはじめとして、市立函館病院の先生方、内視鏡、外来、病棟スタッフの皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
(昭和大学江東豊洲病院、国内留学中 安孫子怜史)

Segmental absence of intestinal musculature in the cecum of an adult identified during endoscopic submucosal dissection

受理日
Authors

Satoshi Abiko, Kosuke Nagai, Kenji Kinoshita, Kazuteru Hatanaka, Yoshiya Yamamoto and Hirohito Naruse.

雑誌名

Endoscopy

コメント

開腹虫垂切除後、虫垂口近傍の盲腸ESD中に発見された成人の盲腸におけるSegmental absence of intestinal musculature (SAIM)の報告がEndoscopyのE-Videosにacceptされました(https://dx.doi.org/10.1055/a-2409-0022)。
病変切除後、虫垂切除後の残存虫垂基部近くに5 mmのSAIMを認め、クリップで閉鎖されました。ESD後のCT検査では後腹膜に少量のairが見られましたが、幸いにもfree airはなく、保存的治療で改善しました。後天性SAIMは、複数回の手術や慢性便秘による虚血が原因と考えられています。本症例では、虫垂炎およびその外科的介入が後天性SAIMの原因であった可能性があります。
開腹虫垂切除後、虫垂口近傍の盲腸ESDを行う際には、SAIMの可能性を考慮する必要があるのかもしれません。
成瀬先生をはじめとして、市立函館病院の先生方、内視鏡、外来、病棟スタッフの皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
(昭和大学江東豊洲病院、国内留学中 安孫子怜史)

Pyloric gland adenoma covered by normal mucosa in the stomach

受理日
Authors

Satoshi Abiko, Katsuma Nakajima, Koji Hirata, Kazuharu Suzuki, Kenji Kinoshita, Kazuteru Hatanaka, Yoshiya Yamamoto, Hirohito Naruse and Naoya Sakamoto

雑誌名

ACG Case Reports Journal

コメント

正常粘膜で覆われた幽門腺腺腫の報告がACG Case Reports Journalにacceptされました(https://doi:10.14309/crj.0000000000001396)。
胃体中部小彎前壁に直径18mmの1つの開口部を持つ隆起性病変があり、拡大内視鏡を用いたNBI観察では、開口部内および周囲に異型粘膜は観察されませんでした。EUSでは、粘膜下層に低エコー領域が見られました。生検では悪性所見は認められず、経過観察と診断的治療としてのESDを迷いました。隆起性病変は前回と比較して増大傾向を示しており、確定診断のためにESDを施行し、幽門腺腺腫の診断となりました。
内視鏡医は、胃の正常粘膜で覆われた隆起性病変(生検では悪性所見は認められず)を発見した場合、幽門腺腺腫の可能性にも注意を払うべきではないか、と思っております。

成瀬先生をはじめとして、市立函館病院の先生方、ご助言をいただいた恵佑会第2病院の小平純一先生、市立函館病院の内視鏡、外来、病棟スタッフの皆様、坂本先生に、この場をお借りして御礼申し上げます。
(昭和大学江東豊洲病院、国内留学中 安孫子怜史)

Red dichromatic imaging and linked color imaing as reliable image-enhanced endoscopic procedures for detecting the distal end of the palisade vessels in the columnar metaplastic mucosa of the gastroesophageal junction zone

受理日
Authors

Ono S, Yamamoto K(Corresponding author), Ishibashi F, Fujimoto A, Urabe Y, Takeda T, Ishikawa H, Fujishiro M, Gotoda T, Kaminishi M, Sugano K.

雑誌名

Journal of Gastroenterology

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胃食道接合部領域(GOJ-zone)は、診断、定義が国際的に統一されておらず、controversialな領域です。近年は京都国際コンセンサス会議により、欧米とアジアで見解のすり合わせが行われる中、『胃食道接合部』の診断基準に関しては柵状血管の下端をメルクマールとする日本の見解に歩み寄りの兆しが見えます。

この論文は、この分野のエビデンス構築のために組織された、GOJZコンセンサスのIEE(Image-enhanced endoscopy)グループで行った多施設共同研究で、新規IEEの接合部同定における有用性を示したものです。
(山本)

Risk factors for recurrent biliary obstruction following endoscopic biliary stenting in patients with unresectable ampullary cancer: A multicenter retrospective study

受理日
Authors

Ryo Sugiura, Masaki Kuwatani, Toshifumi Kin, Ryusuke Matsumoto, Yuki Ikeda, Itsuki Sano, Koji Hirata, Makoto Yoshida, Yoshiharu Masaki, Michihiro Ono, Hajime Hirata, Hiroaki Yamato, Manabu Onodera, Hideaki Nakamura, Yoko Taya, Nobuyuki Ehira, Masahito Nakajima, Hidemasa Kawabata, Hideyuki Ihara, Taiki Kudo, Shin Kato, Akio Katanuma

雑誌名

Journal of Digestive Diseases

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非切除の十二指腸乳頭部癌は稀な疾患であり、胆管ステントの選択や閉塞/逸脱リスクについて疑問を持っていました。今回、北海道19施設での研究により、イベントの多くはステント逸脱でなく閉塞であること、金属ステントが開存について有利であること、プラスチックステントを使用する際は胆石/胆泥が閉塞リスクを上げること、を示しています。

本研究には多数の御施設の先生方にご参加いただきましたが、研究会で様々なご意見をいただき、データ採取、その後の論文作成/修正に至るまで多大なご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
(杉浦)

Trastuzumab deruxtecan in advanced solid tumors with HER2 amplification identified by plasma cell-free DNA testing: a multicenter, single-arm phase 2 basket trial

受理日
Authors

Masataka Yagisawa, MD, Hiroya Taniguchi, MD, PhD, Taroh Satoh, MD, Shigenori Kadowaki, MD, Yu Sunakawa, MD, Tomohiro Nishina, MD, Yoshito Komatsu, MD, Taito Esaki, MD, Daisuke Sakai, MD, Ayako Doi, MD, Takeshi Kajiwara, MD, Hiromi Ono, PhD, Masatoshi Asano, PhD, Nami Hirano, PhD, Justin Odegaard, MD, Satoshi Fujii, MD, Shogo Nomura, PhD, Hideaki Bando, MD, Akihiro Sato, MD, Takayuki Yoshino, MD, Yoshiaki Nakamura, MD

雑誌名

Journal of Clinical Oncology

コメント

リキッドバイオプシーによって得られたcell-free DNAからHER2遺伝子増幅が検出された固形がん患者さんを対象に抗体薬物複合体であるトラスツズマブデルクステカンの有効性・安全性を検証したバスケット型医師主導治験(HERALD試験)の解析結果です。16ものがん種に対する良好な抗腫瘍効果が認められました。トラスツズマブデルクステカンはすでに国内においてHER2陽性胃がん・乳がん、HER2遺伝子変異陽性肺がんに対して承認されており、現在本研究の結果を導出し希少フラクション(HER2陽性の他がん種)への承認に向けて準備中です。国立がん研究センター東病院にてご指導ご支援くださったスタッフの皆様をはじめ、本研究にご協力いただいた多くの方々に心より御礼申し上げます。
(いまいホームケアクリニック 八木澤)

Preoperative risk factors for skeletal muscle mass loss in patients with biliary tract cancer

受理日
Authors

Ryo Sugiura, Masaki Kuwatani, Kazumichi Kawakubo, Kazuma Kishi, Hiroki Yonemura, Shunichiro Nozawa, Masatsugu Ohara, Takehiro Noji, Satoshi Hirano, Naoya Sakamoto

雑誌名

Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences

コメント

切除可能な胆道癌は術前にERC関連処置が広く行われ、それらは合併症のリスクがあります。サルコペニア/骨格筋量低下は胆道癌術後の予後と関連していますが、ERC関連処置、術前マネージメントが骨格筋量に影響を与えるかは分かっておらず、本研究を行いました。結果として、ERC後膵炎、手術までの胆管炎が術前待機期間の骨格筋量減少に関わっていることを示しています。

術前胆道癌において、外科医のみでなく内科医の積極的な介入が必要と考えさせられました。

研究の初期からご指導いただいた桒谷先生、胆道癌の治療を行なっていただいた消化器内科、消化器外科の先生方に感謝申し上げます。
(杉浦)

Phase II trial of niraparib for BRCA-mutated biliary tract, pancreatic and other gastrointestinal cancers: NIR-B

受理日
Authors

Yasuyuki Kawamoto, Chigusa Morizane, Yoshito Komatsu, Shunsuke Kondo, Makoto Ueno, Satoshi Kobayashi, Masayuki Furukawa, Lingaku Lee, Taroh Satoh, Daisuke Sakai, Masafumi Ikeda, Hiroshi Imaoka, Arisa Miura, Yutaka Hatanaka, Isao Yokota, Yoshiaki Nakamura1, Takayuki Yoshino

雑誌名

Future Oncology

コメント

現在進行中の医師主導治験「BRCA遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の胆道癌、膵癌、その他の消化器・腹部悪性腫瘍患者に対するNiraparibの多施設共同第II相試験」のプロトコル論文です。本研究ではAMEDの研究費を獲得し、SCRUM-Japan/MONSTAR SCREENの基盤で、BRCA遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の消化器癌に対するPARP阻害薬の一つであるNiraparibの開発を進めています。
2023年中に症例登録は完了し、現在は経過を追跡中、2025年の結果公表を目指しています。
本研究は多くの方々に御協力いただいて研究を進めております。御参加いただいた患者様、御家族の方々にも、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
(川本)

Efficacy of endoscopic surveillance for pharyngeal mucosa during endoscopic resection for pharyngeal carcinoma - a multicenter prospective study.

受理日
Authors

Yuki Kimura, Yuichi Shimizu, Masanobu Taniguchi, Suguru Ito, Akira Dobashi, Kenichi Goda, Yusuke Nishimura, Keiko Yamamoto, Shin Ichihara, Akihito Watanabe

雑誌名

Surgical Endoscopy

コメント

咽頭表在癌のESD/ELPS前には、通常、意識下鎮静でNBI拡大による精密内視鏡を行いますが、咽頭なので洗浄できず、ヨードもまけず、十分なサーベイランスは困難です。そこで全身麻酔下で治療直前に咽頭全体にヨード染色を行って詳細観察を行ってみたところ、13%の症例に新規の咽頭癌が発見され、同時切除できました。全国5施設(代表:清水先生)の前向き研究結果です。
(山本)